● 「わが不老長寿法」(続)その15
岡山弁護士会弁護士  宮 本  敦 
(サポーター,元日本裁判官ネットワークメンバー) 
1 今回は減量作戦の新展開の話である。減量報告はまだできないが,その後も工夫は進化しており,間もなく公表の時が来そうである。この4月末に脳ドックの検査を受け,異状はないとの結果であった。その際病院は私に減量の説明をするとの話であったが,丁重にお断りをした。これまで減量の話は何度も聞いたが,全く効果がないからである。

2 この10年余り毎年お盆休みの頃,消化器関係で1泊の人間ドックを受けてきた。脳ドックは思いついた時に2年に1回程度受診してきて,今回3回目である。今後これらを定例化し,毎年8月に消化器の人間ドックを,その半年後の2月に脳ドックを年1回ずつ受診することに決めた。こうすれば血液検査などの各種の基礎的な検査が,時期的な重複を避けて半年ごとに行われることになるので,年齢からみても最も効率よい健康チェックが可能になる。これは名案である。この検査を受診しておれば,とりあえず検査後1年間は大丈夫だと一応保障された気分になるし,仮に見落としがあって手遅れになったとしても,なすべきことをなした上での結果になるので,諦めもつき易いというものである。

3 飲酒量はこの間かなり減らしたので,飲酒量の指標となる「ガンマGTP」の数値は今や正常値となっている。これも酒と戦って勝利したという格好いい話ではなく,「恥ずかしながら」格好悪く,しかし頭で勝利したということになろうか。その工夫として家には飲酒可能なアルコ−ルは一切置かないことにしたが,その作戦が成功しているに過ぎない。飲酒不可能なアルコ−ルとして料理用日本酒は置いてある。何度か妻に隠れてそれを飲んでみたが,さすがに飲む気にはなれなかった。もっとも料理用日本酒にも2種類あって,実は飲めるものもあることに気付いてはいるのだが,飲める方は家には置かないことにした。かなり前に料理用日本酒の中味を密かに美味しい日本酒に取り替えておいて,家族を騙していた時期もあるが,妻は騙せても自分は騙せないので,自ら恥じてやめた。妻がお気に入りで買い置きしている1000円のブランデ−を盗み飲んで,密かに時々同じビンを補充しておいて素知らぬ顔をするという作戦も止めることにした。妻はそれに気付いていたが,呆れたというよりも,私を憐れに思ったようで,咎めることはしなかった。そして私は,夫の健康のために妻用のブランデ−も置かないか,置く場合には,私が捜しても見つけられないように隠しておくように妻に頼んだのである。

4 全く飲酒しないというのもいささか寂しいし,無理して我慢していると,いつか気持ちが爆発する心配もある。飲酒したい気持ちと毎日密かに戦うというのもいささか消耗な話である。また戦えば長期的には必ず敗れることは目に見えている。そこで無駄な戦いはしないことにした。毎日少しだけ飲むことを許すことにしたのである。毎日の仕事の奮闘と,今日も元気で真面目に生きてきたご褒美として,事務所から車での帰宅の途中,コンビニで1本のカンビ−ルか,日本酒のワンカップなど,何か少量のアルコ−ルを買って帰ることを認めたのである。文字どおり酒を百薬の長としようということでもある。そしてカロリ−の低いつまみを工夫した。この作戦は大成功の気配である。かつては芋焼酎のワンカップを愛飲していたこともあるが,最近は焼酎は余り飲みたくなくなっている。ウイスキ−のポケットビンを試してみたが,口に合わない。安いブランデ−のポケットビンがよいのだが,売っていない。妻が愛するブランデ−の大瓶を買って来て,ウイスキ−の小瓶4本を準備してブランデ−のポケットビンを作り,毎日1本飲むことにしたこともある。甚だ名案で,暫くは成功していたが,結局失敗した。私は毎日1本のブランデ−の小瓶を飲んで寝るのであるが,朝起きてみると,ポケット瓶が何本も空になっているという不思議な現象が起きるのである。妻は飲んでいないと言う。戦うためにはかなりの精神の充実が必要であるということであろう。

5 私は昼食と夕食は私の手製弁当を食べるのではあるが,夕食までの3食は甚だ低カロリ−であるうえ,野菜もしっかり食べており,健康法としても減量法としても完璧である。それでもこれまで減量に失敗してきた。その原因は何か。
 私は夕食後も事務所で遅くまで仕事をすることが多いのであるが,夜が遅くなると次第に空腹になるし,喉も渇く。最近は遅くとも夜11時には帰宅することにしているが,帰宅前の空腹感に対しては一工夫してコンニャクとカンテンのゼリ−を活用することにした。安売りドラッグ店などを探すと,1本200円程度のゼリ−を大幅減額で1本130円弱で売っている。これを常時10本程度は買い置きしておき,鞄の底にいつも2本程度を入れておくのである。帰宅前の喉の渇きに対しては,私が自分で作っている日替わりのお茶で,魔法瓶に入れて健康法として毎日1リットルを飲むことに決めている日本茶,ウ−ロン茶,ドクダミ茶などのお茶と,ノンカロリ−コ−ラを活用している。空腹感と喉の渇きに対応して,我慢はせず,低カロリ−ゼリ−とノンカロリ−飲料をセッセと食べたり飲んだりするのである。まるで「水飲み○○だな」と苦笑しているが,この作戦は成功しそうな気配である。資金もそれほど必要としない。

6 実は真の勝負の時は帰宅後にある。帰宅後のご褒美の飲酒の際にはつまみが欲しくなる。私の減量作成は帰宅前までは完璧なのであるが,その後に危険な「魔の5分間」が存在する。そのためこれまで減量に失敗してきた。1日の努力を無駄にする愚挙を繰り返してきたのである。そこでこのたび本気で考えて,種々工夫した結果,おそらく素晴らしい解決策に到達したと思われる。帰宅後空腹感や喉の渇きに耐えて我慢するという戦いをすれば,一時的に勝つ日もあるが,長期的には敗北の歴史となる。これは私の場合には既に証明済みのことである。結局負けることになる戦いはせず,腹が減り喉が渇けば,しっかり食べたり飲んだりすることにした。ただし何を飲み,何を食べるかを工夫するのである。

7 深夜ご褒美のアルコ−ルを買って帰宅すると,すぐにトレ−ニング用の衣類に着替えて,テレビの前に設置してある室内自転車に乗る。そして飲酒しながら面白いテレビ番組や時代劇などを見ながら,現在は毎日20分,いずれ30分を目標に自転車を漕ぐという「ながら族」に変身する。室内自転車漕ぎは面白いテレビを見ながらでなければ到底続かない。その時つまみが欲しい。実はこれが問題なのである。これまでつまみは食べないという方針であった。しかし物足りない。そして「少しだけならよいだろう。」となる。これまではこのつまみで破れてきた。少しでは済まないのである。ここでつまみを食べて敗北するという長い戦いの歴史がある。実はここが真の勝負所なのである。

8 そこでこのたび本気で考えたのである。食べても太らないつまみはないか。そこで本で調べて美味しいコンニャクの醤油煮付けを作ってみた。「オランダこんにゃく」といい,とても美味しい。コンニャク2丁を切って煮付けて冷蔵庫で保存し,大体3日で食べるのである。コンニャクだけでは飽きが来るかも知れない。ノンオイルもやしイタメはどうか。冷蔵庫で腐る寸前になっている野菜でみそ汁を作るのはどうか。今いろいろと低カロリ−つまみを工夫している最中である。

9 この「低カロリ−つまみ付き飲酒」はグッドアイディアで,とても楽しみになっている。そして「飲酒・テレビ付き室内自転車漕ぎ」のトレ−ニングが終わると,必ず風呂に入る。就寝前のトレ−ニングと入浴は新陳代謝を著しく高めるという説が有力である。

10 かくして私の減量作戦は,ごく最近の知恵を絞った工夫の結果,明らかに新段階に突入した。この新減量作戦は,これまで解決できないままに放置していた問題点に対して正面から工夫により解答を与えたものである。

 「頑張る減量」は一時期成功しても,5年後には失敗していることが多いのだそうである。無理は続かず,無理すると失敗するということであろう。減量を頑張ってはならない。空腹感と喉の渇きと戦闘してはならない。戦わずに頭で勝負するのである。すなわち勝利するシステムを作るということである。とはいえ新減量作戦も結構気力の充実を必要とする。

11 また減量により栄養失調で体調を崩すというのも愚かなことである。脂肪は減らすが,蛋白質はしっかり摂取する必要がある。私はこのたびの新減量作戦の工夫に併せて,食事内容にも検討を加えた。そして三大健康食品として,納豆,豆腐,ヨ−グルトを一層しっかりと摂取することにし,自宅と事務所の両方の冷蔵庫にそれらをしっかりと蓄えることにした。生野菜と野菜ジュ−スの摂取についても工夫を加えた。
 今回は減量に成功するのではないかという予感がする。おそらく楽しみながら減量できるだろう。減量法の本を探しても,「飲んべえの減量法」として参考になる本は見当たらない。果たしてどういう結果が待っているかは2か月後の,このHPの次回更新時には判明しているに違いない。

(平成21年8月1日)