● 「わが不老長寿法」(続々)その2
岡山弁護士会弁護士・サポーター  宮 本  敦
1 脳の老化防止という視点でわが人生を振り返ると,甚だ悔やまれることだらけである。職業柄やむを得ず,仕事の関係で無理をして,睡眠不足の人生を過ごしてきた。脳も随分疲れているに違いない。もっとも格別脳の老化や疲労の自覚があるわけではない。これまで睡眠不足の人生はやむを得ないことと諦めていたような気がする。肉体的な老化防止については結構本などで研究し,努力もしてきたが,脳の老化防止こそが不老長寿のポイントではないかという発想をなぜか持ってこなかった点が少し悔やまれる。これも最近本で,「かくしゃく長寿の人は脳年齢が若い。」と書かれているのを読んで,そう思ったという程度のことに過ぎない。ただ脳と肉体の老化防止法はかなりの部分で共通しているので,それ程悔やむことでもないかも知れない。単にもう少し意識的に睡眠時間を確保する必要があったのではないかという程度のことである。

2 しかし過去のことは悔やんでも仕方がないので,その反省を今後の人生に多少なりとも生かしてゆくしかない。脳の老化防止については,脳についての固有の方法もあるが,まず身体全体の老化防止法について,これまでの努力に更なる検討を加えることにした。脳固有の老化防止法についてもいずれ触れることになる。

3 現代医学は,老化防止法はガンの予防法でもあるとしている。最近の医学は著しく進歩しているので,多少なりとも老化防止に関心を持ち,工夫や努力することは意味のあることではないかと思う。もっとも,努力の成果があるとしても,その人の健康な状態の人生をせいぜい10年延長させることができるかどうかというレベルの話に過ぎないので,そう大したことでもない。
 老化防止法としては,(1)食事などの栄養分の摂取(2)運動など(3)ストレスの解消他精神的健康(4)睡眠(5)生き甲斐など充実した人生への意欲,などについて検討する必要がある。

4 そこで食事であるが,まず肥満はほぼ絶対的に避けなければならない。これは案外難題であるが,「小食に徹する」というひとことに尽きるようである。60歳を過ぎると「腹7分」位がよいとされている。沢山食べて痩せるという本も少なくないが,私には事実上不可能と言える。スポーツでカロリーを消費することで痩せるという発想は誤りであり,スポーツは健康(不老長寿)や減量に不可欠ではあるが,運動によるカロリー消費量は予想外に少ないので,あくまで補助的な手段に過ぎない。
 逆に減量に挑戦すると,無理な小食の結果,一見普通の健康そうな体型の人でも,血液検査をすると栄養失調になっている人が案外多いそうで,特にスリムな体型志願の女性に多いとのことである。食べ過ぎはいけないが,減量のため小食とする場合にも,栄養に関する正しい知識を持って,摂取する食事の内容には細かな心遣いが必要である。蛋白質,繊維類,ビタミン類,カルシウムその他のミネラルは不足しないように注意することが必要であり,糖質と脂質は心して控え目とすべきであると言われている。

5 「美人は夜作られる。」という言葉があったように思うが,「スリムな体型は夜作られる。」ということらしい。朝食は多目に,昼食は普通に,夕食は軽目にするのがよいとする有力な説がある。減量のためには夜9時以降は食べないことが必要であるとされており,それは私も知っていたが,その程度の理解では私には実行困難であった。なぜそれが必要であるのかという正確な理解が欠けていたために,頑張る気になれなかったということのようである。ところが最近,その理論的説明として,夕食を軽目にして炭水化物を控えることにより,夜寝る時間までには血液中のブドウ糖を使い切っておくことで,睡眠中の基礎代謝のために脂肪が分解消費され,睡眠中に「苦もなく?」痩せることができるという理屈である。「なるほど,この説明は明快だなあ!」と感動してしまった。そしてなぜかそれだけの違いで,私はその日から夜9時以降はカロリー摂取しない日が続くようになったのである。「不思議だなあ?これまであんなに夜苦労してきたのに。」とシミジミと思っている。「思想の力は偉大である。」と言われるが,「まったく思想などとも言えないほんのささいな認識に到達するかどうかで,人間は変化することもあるんだな!」などと,勝手な理解をしてしまっている。

6 ただ夜空腹になるので,深化した理論のもとで「頑張るぞ!」というだけでは,おそらく長続きしないだろう。そこで空腹対策としての工夫が必要になる。今から約20年前に10キロ減量に成功したときは,何時も機嫌が悪く,家族の顰蹙(ひんしゅく)を買ったことがある。今回は「ニコニコ減量」とすることを身近な人達に約束した。
 蛋白質は体内でアミノ酸に分解され,脂肪燃焼を助けるとされている。蛋白質は夕食で多目に摂取することを心がけるのも一方法であろう。私は最近ダイズプロテインなる,ダイズから抽出された蛋白質の粉のようなものを入手した。これをコップ1杯のお湯に溶かして飲んでいるが,案外美味しいし,減量や各種健康効果があるのではないかと楽しみである。これは夕食時がよいのか,夜遅くても構わないのか,私にはその知識がないので,今のところ空腹対策として夜遅く活用しながら,実験中ということになる。ダイズプロテインの1回の量は大匙1杯程度で,約10グラムに過ぎないからどちらでも余り問題にはならないだろう。それ以外には,「お茶飲み弁護士」になっている。腹が減ったら「水を飲む」のではなく,「お茶を飲む」のである。健康法として夜だけでなく,昼の間も1日1リットルのお茶を飲む習慣は,もう10年以上も続いている。健康のためポリフェノールを摂取するのである。5リットル用の大きなヤカンを買ってきて,2〜3日に一回,日本茶,ウーロン茶,ドクダミ茶など7種類のお茶を順番に自分で作って,それ専用のスポーツ用の冷飲料専用の魔法瓶を買ってきて,熱心に活用している。また自分で「こんにゃくの醤油煮付け」を本で調べて,美味しく調理できるようになっているし,1袋150グラムの「こんにゃくゼリー」なども活用している。安売量販店で市価160円位より30円引きで見つけて,大量に購入した。
 私は案外アイディアマンで,これまで各種減量法を編み出しては,その都度失敗を繰り返してきたが,今回は成功するような気がしている。

(H23・8・1)