● 司法10大ニュース(平成23年)

第1位 東日本大震災 司法現場にも大きな影響 一部機能停止も(3月)。

☆原発事故も起こり,原子力損害賠償紛争解決センター,「和解仲介室」設置により法曹の大量動員(9月)。

第2位 弁護士のゼロワン地域(支部所在203地域で,弁護士が0人か1人の地域)が解消(12月)

☆6月に見通しが発表され,年末に達成。弁護士会の長年にわたるひたむきな努力を評価する声多し。

第3位 最高裁,裁判員裁判制度が合憲との判断(11月)

☆今次司法改革の最大の改革内容が揺るぎないものに。判決文も格調高し。


第4位 1年を通して刑事再審の動きが続く

☆布川事件で,水戸地裁土浦支部が,強盗殺人罪で無期懲役が確定していた2人に再審無罪(5月,確定)。東電OL殺人事件再審請求審で,東京高検がDNA鑑定をするなどの動き(7月)。名古屋高裁金沢支部,福井女子中学生殺害事件で再審開始決定(11月)。袴田事件(袴田巌死刑囚)の第2次再審請求事件で,静岡地検が,取調べの録音テープや供述調書176点を開示(12月)。狭山事件,第3次再審請求審で,14点の証拠開示(12月)。

第5位 司法修習生,給費制から貸与制へ(11月)

第6位 フロッピー改ざん事件の余波が続く

☆大阪地裁,前田元検事に証拠隠滅罪で1年6か月の実刑判決(4月,確定)。大阪地検特捜部元部長,元副部長の事件で公判開始(9月)。

第7位 検察審査会の議決に関連する動き

☆那覇検審,中国人船長に公務執行妨害,建造物損壊等で2回目の議決(起訴議決,7月,起訴議決の事例は5例目)。同じく那覇検審で,交通死亡事故を起こし不起訴となっていた米軍属に,起訴相当の議決(1回目,5月)。これを受けて,那覇地検が再捜査。日米地位協定の運用見直しも行われ,自動車運転過失致死罪で在宅起訴(11月)。昨年起訴議決があった小沢一郎元民主党代表の政治資金規正法違反事件で,公判開始(10月)。

第8位 平成21年衆議院議員総選挙について違憲状態(格差2.3倍)との最高裁判決(3月)

第9位 裁判官ネット,シンポジウム3回開催(2月民事,7月刑事,11月退官記念・司法改革)

第10位 最高検が村木元局長(厚生労働省)に謝罪(1月)



 番外では,親権停止の(最長2年)の民法改正が国会で可決成立(5月,1年内に施行予定)。最高裁,君が代起立命令に合憲の判決(5月)。B型肝炎訴訟で,国と原告団が和解の基本合意書に調印。菅首相が首相官邸で,原告ら120人に謝罪(6月,救済対象約40万人・和解金総額は5年で1.1兆円・30年で3.2兆円の見通し)。裁判の迅速化に関する検証結果の公表(第4回,7月)。東京高裁,日債銀粉飾決算事件で,元会長ら3人に逆転無罪判決(8月。確定),最高裁,混合診療禁止が合法との判決(10月)。弁護士殺害事件,上告棄却で無期懲役確定(11月,横浜事案)・懲役30年の裁判員裁判(12月,検察控訴,秋田事案),オウム裁判事実上終結(11月,遠藤誠一被告人の上告棄却で。全体で16年経過)。以上のようなニュースがありました。