皆様からのメール(2007/10/01)



40歳代 男性 宮崎県 フリーター

 被告人の責任能力の有無というのが問われたある刑事裁判を傍聴しての感想というか、私ら精神障害者の立場というものを説明させてください。
 刑法第39条の規定(心神喪失者の行為は、罰しない。心神耗弱者の行為は、その刑を減刑する。)というのは決して精神障害者は何をやっても許されるということを意味してるのではありません。私らも社会に参加している市民、法の下の平等ということを希求する市民なのです。犯行が精神耗弱状態のもとで行われた場合のみこの条文は適用されるのであって、私ら精神障害者は何をやっても許されるなんて不平等や特権階級などというものでは決してありません。
 私らの立場や生活というものも、この刑法第39条の大誤読というもので大変に制限され、生きづらくなってます。薬だって隠れて飲まなければなりません。私らの昔、幻聴、幻覚、妄想があったということだけでどうして兄弟姉妹の結婚に至るまで差別され、隔離されなければならないんでしょうか?できれば法の下の平等というのがあるならこの第誤解から国民の皆さんを解放してもらいたいものです。



30歳代 男性 会社員 大阪府

 ブルドッグソースの米スティールからの防衛策を適法であるとした判決は、日本の経済にとってマイナスと働くことは間違いありません。
 スティールのどこが悪かったのか、どの法を犯したのかがハッキリしておらず、単に「利益を追求しているからダメだ」と言っているように見えます。個人投資家を含めて「投資家」というのは皆「利益」を追求しています。その事実を裁判官は認識しているのでしょうか?
 デイトレーダーと呼ばれる人は利益追求の最たるものでしょう。企業もまた利益を追求するのは当然です。ボランティア団体ではありません。
 では、スティールが「外資」だから防衛を認めたのでしょうか。それだと今日本にいる4割とも言われる外国人投資家に「退場」してもらうとでも言うのでしょうか。
 企業の経営は「経営者」が行うべきで、それが国籍によって判断されるべきではありません。不適切な経営者は日本人であれ退場させられるべきです。それを守る必要はどこにもありません。
 これだけ国際的にお金が流れる現在、「企業を外資から守る」という考えは時代錯誤と言わざるを得ません。
 裁判官の方々は色々な業界に精通する必要があり、大変だとは思いますが、今一度経済についても勉強して頂く必要を感じます。それも早急に。



50歳代 男性 自営業 福井県

 先日、家裁の皆さんから少年事件について講義を受ける機会を得ました。多少の変動はありますが、事件数は、凶悪なものもそうでないものも顕著に減少傾向にあることを知りびっくりしました。なぜなら、世間ではあたかも激増・悪質化しているかのように報じられているからです。
 そうであれば司法分野を含め戦後の「少年政策」は概ね功を奏しているのに、なぜ厳罰化や対象年齢を低くしたり、あげく教育基本法まで変える必要があるのか全く理解できません。「司法府」と「立法府」の連結回路が、どこでどう誤作動しているのでしょう。
 やっぱり国家は本質的に「税は重く福祉は薄く、刑は厳しく監査は甘く」を目指しているとしか思えません。この素人の率直な質問に対し、担当官の「歯切れの悪い」ご回答が「誠実そのもの」で、ほっと一安心しました。
 ところで裁判所の少年事件の不処分決定など甘い処分の多さが非難の的になっているとのことですが、行政訴訟の「甘い裁断」の多さは、あまり問題になっていないのでしょうか? 場違いなので質問は控えましたが、ここのところで「厳罰化傾向」が進むと、もっと良い社会になると思うのですが。


60歳代 男性 北海道

 裁判員制度の理解に、時折居住地の地裁に傍聴に行きます。
 何時も思うことは、発言者の音声が小さく聞き取れない(被告人は仕様がない)。早口の検事、声の低い裁判官、弁護人。マイクの設置があるものの音響装置が機能していない。マイクが無くても狭い法廷なので聞こえていいはずですが。
 開かれた裁判。一人合点で傍聴人を無視するような裁判はいけません。ちなみに耳に障害はありません。
 本欄の2006・06・01分に、60歳男性愛知県氏が同じ趣旨のことを言っておられました。指摘に関わらず直すお気持ちが無いらしい。
 講演会なら聞こえませんと要望するのですが、法廷秩序を思って遠慮しています。誰に言ったらいいのでしょうか。市民と裁判所との距離はまだまだ遠いようです。

(平成19年10月)