● 女王の裁判所 その12「平和訴訟」の巻
チェックメイト 
(この物語は、あくまでフィクションであり、実在の人物・事件・テレビドラマとは無関係の女教諭の話である。)

 私が任命したA君、また困っているようね。「腕力による威嚇が校訓に反することを確認してほしい」という訴えが出たんだって?。学級委員のB君が、言うことを聞かない子は痛めつけてやるなんて脅しているから、差し止めてほしいというのね。校訓って何だったかしら。ああ「みんな仲良く」だったわね。でも、A君の任務はあくまで具体的な揉め事を裁くことなのよ。そんなに学級委員の横暴に困っているのなら、どうして選挙でそんな子を選んじゃったのかしら。これでみんな少しは利口になったでしょ。今度の選挙が楽しみだわ。(完)
(平成19年8月)