● 女王の裁判所 その10「上級審新設」の巻
チェックメイト 
(この物語は、あくまでフィクションであり、実在の人物・事件・テレビドラマとは無関係の女教諭の話である。)

 新学年になったわね。みんな進級できて良かったわ。担任はまた私よ。結局、クラス替えなしで、先生も持ち上がりになっちゃったの。私が任命したA君も、学年末に慌ててクラスの揉め事をたくさん裁く必要なかったわね。クラスで一番の優等生のA君だって、制限時間が短いと、たまに答を間違うでしょ。それで、新年度から上級審を作ることにしたわ。A君の裁きに不服がある子は控訴できるの。そうすると、上級生たちがもう一度考えてくれるわ。あんまり上級生にひっくり返されるようになると、A君も交代させられるかも知れないわよ。(つづく)
(平成19年4月)