● 弁護士任官どどいつ(32)

竹内浩史(さいたま地裁川越支部) 
 プロ野球のセ・パ交流戦が、5年目を終えた。
私は、この交流戦には人一倍思い入れがあるので、毎年必ず一度は、東京近県で開催される中日×埼玉西武または千葉ロッテの試合を見に行っている。
元々、1リーグ制移行反対で選手会が闘った5年前の夏の球界再編騒動の結果、翌シーズンから導入されることになった交流戦。
だから、東京高裁当時に関連事件を担当した私には、交流戦の盛り上がりがとても嬉しい。
毎年、交流戦を題材にしたどどいつを作り、このホームページか私のブログ
http://blog.goo.ne.jp/gootest32
に載せてきた。5年という節目を迎えたので、今回はその総集編としたい(解説文は当時のものの抜粋)。

(2005年)

    判と弁との 交流戦も きっと流れを 変えるはず

 6月18日、初めてのプロ野球セ・パ交流戦が終わった。独走体勢に入るかと思われた我が中日ドラゴンズは、苦手のパ・リーグ球団に苦戦、流れが変わり、あっけなく首位を明け渡した。しかし、大多数のファンの感想としては、交流戦は大成功だったようだ。
考えてみれば、弁護士任官と、今年から始まった判事補の弁護士経験制度も、交流戦のような感じだ。判・検の交流しかなく、批判されていた時代とは隔世の感がある。裁判官と弁護士の交流も、数が増えれば、司法の流れを変えることになるのではないか。

(2006年)

    判・検リーグの 交流戦に 新規参加の 弁リーグ

 2年目のプロ野球セ・パ交流戦が始まった。
去年は、中日の首位陥落、千葉ロッテの躍進と、ペナントレースの流れを大きく変えた。
裁判官・検察官と弁護士との間の交流も、数が増えれば、司法の流れを大きく変えることになるだろう。

(2007年)

    数は減っても 流れを変える 判と弁との 交流戦

 プロ野球のセ・パ交流戦が開幕した。
ただ、3年目にして、試合数が1チーム当たり36から24に減ってしまったのが少し残念。
実は、弁護士任官の人数も、私が任官した2003年の10人をピークに減少傾向にあり、今年4月の任官者は2人だった。しかし、毎年、セ・パ交流戦がペナントレースの流れを変えてきたように、当面は数少ない弁護士任官者でも、司法の流れを変えていくことになると信じている。

(2008年)

    判弁交流 劣勢のわけ 長距離移動に 慣れてない

 今年も、プロ野球セ・パ交流戦が開幕した。
開幕戦は、巨人が乱打線を制した以外は、セ・リーグ球団の負けだった。
これまで3年連続でパ・リーグ球団が優勝しており、全体としてもセ・リーグは負け越している。
その原因は、長距離移動に慣れてないことにもあるらしい。
判検交流と対比して、弁護士任官が振るわない理由も同様かも知れない。
初任地の地元希望はかなり容れてもらえる制度になっていたのだが、最近は遠隔地の転勤に応じる弁護士任官者も増えており、私も任官時には逆に地元を避けることを希望し「名古屋以外で一任」とした経緯がある。
しかし、そういう先例が重なるとまた「任官障害」が増えるかも知れないので、難しい。
(朝日から抜粋)
 特にセ・リーグ球団にとっては、シーズンのポイントとも言える交流戦が始まる。昨季はパ・リーグに66勝74敗4分けと負け越し。
 東京―広島間の試合が多いセと違い、札幌、福岡、仙台など「長距離移動」に慣れたパとの差を指摘する声もある。開幕戦は昨年セが全敗スタートしたのと同じく、今季も全試合がパの本拠地。

(2009年)

    いよいよ開幕! 裁判員と 法曹三者の 交流戦

プロ野球のセパ交流戦が開幕。
毎年、弁護士任官をなぞらえる開幕記念都々逸を作ってきたが、裁判員制度は、一般国民と法曹三者との交流戦にもなることに気付かされた。
(2009年6月)