● 弁護士任官どどいつ(26)
竹内浩史(さいたま地裁川越支部) 
「北京五輪を 今年は観るぞ! 家で判決 書きながら」

 いよいよ待ちに待った夏休みである。今年は4年に1度のオリンピックもある。裁判官の夏休みがどういうものであるかについては、ちょうど4年前のこの連載の第2回でも取り上げた。
 特に今年は春以降、懸案の事件の結審が重なり、不本意ながら判決期日を延期したことも少なくなかった。そういった渋滞もようやく解消に向かったところで夏休みに逃げ込めて、ホッとしている。


「海山行けない 判事の夏は 記録の山へと ダイビング」

 ところで最近、「渋滞学」という学問があることを知った。世の中のあらゆる渋滞現象の原因と解決策を研究するというものである。例えば、帰省ラッシュの高速道路の渋滞対策がその代表である。
 渋滞しがちな判決のサイクルについても、この研究が当てはまりそうだ。


「ドミノ倒しの 延期を避ける 判決月末 集中日」

 車間距離と同様に、判決期日の間隔に一定の余裕を持たせ、緩衝地帯を確保することがまず重要なのは、直感的に分かる。
 ただし、判決件数が多くて一定日数の間隔を置くことができない場合には、むしろ一か月分を特定の日にまとめて言い渡すという方法が有効であることに、最近ようやく気付いた。1件が行き詰まったために、全件がドミノ倒しのように延期の連鎖反応を起こす事態を避けられる。その月に完成できなかった件だけを1か月繰り越して、優先的に取り組めば良いからである。
 もちろん、夏休みも貴重な緩衝地帯であり、難事件を含む大量の判決の正に書き入れ時である。


「帰省ラッシュを 横目で睨み 判決ラッシュの 夏休み」
(平成20年8月)