● 悪魔の法典(4)
チェックメイト 
 第4条「裁判官は、たとえ当事者が乗り気でなくても、判決で自分が書かざるを得なくなる結論が妥当ではないと思えば、いつでも何度でも繰り返し和解を勧告して説得を試みることができる。」(民事訴訟法89条)


 できることなら、全ての紛争は、納得づくの和解で解決することが望ましい。それは、裁判所の外の世間でもそうだが、裁判所に事件として持ち込まれてからも同様である。法律では割り切れない問題が少なくないからである。
 特に、調停前置主義が採用されている、人事訴訟を含む家庭事件ではとりわけそうである。中には調停を即刻打ち切ることを要求したり、本訴になった以上は和解は無理だと言い放つ弁護士もいるが、離婚調停の約半分は成立するし、離婚訴訟の約半分も和解で解決しているのが実情である。

 和解をあきらめないというのは、裁判官に必要とされる粘り強さの現れでもある。「できない和解を打ち切ったところから本当の和解が始まる」との名言を吐いた裁判官もいた。

 もっとも、これをやり過ぎると、和解の強要と非難されかねないし、判決を書くのが面倒なだけではないかと見下されかねないから、やはり程々にせざるを得ない。
(平成20年2月)