● ドイツからの祝辞
日本裁判官ネットワークの設立に際し、ドイツの裁判官体から、祝辞が届いています。その内容を紹介します。
ドイツの裁判官団体は、北海道大学の木佐茂男教授に紹介していただきました。
 木佐茂男教授へ
 日本の裁判官団体の設立が目前に差し迫ったとのあなたの情報に、私どもは大きな 関心、大きなわがことの問題として接しました。ドイツ裁判官連盟の90年間の経験 から、私たちは日本において裁判官の独立した職業組織が設立されることを、心から 歓迎するとともに、以後長く支援したいと思います。

 ドイツ裁判官連盟は、あなたもご存知のように、ドイツ国内の同僚たちの職業的、 経済的、社会的な利害のみを代表するのみではありません。それ以上に、裁判官の独 立性の保護並びに確立、立法、司法及び法学の推進にも努めています。開かれた多元 主義的社会において、裁判官の種々の事柄への十分な理解や公益への配慮を義務づけ られた独立性のある職業組織の存在が不可欠であることは、日々証明されているとこ ろです。団体を通じて、同僚たちは、政府、議会、そして世論においても耳目をひく のです。職業団体は、彼ら裁判官の諸利益をまとめ、主張し、それを実現するのを援 助します。

 ドイツ裁判官連盟は、ドイツにおいて何十年という歳月をかけて名声ある組織に成 長しました。その発言は、政治や世論において重要な意味を持ちます。

 私は、日本の同僚たちがその意図を貫くにあたって、力と根気を願い、また、反動 があっても落胆することなく、目的を忘れることなくその道を進むことを願い、そし て、彼らに幸運と成功を願っています。

 ドイツ裁判官連盟は、日本の同僚の皆さんが望まれるのであれば、いつでも助言と 実行をもって援助する用意があります。
敬具 
 
ライナー・フォス(ドイツ裁判官連盟 議長)



木佐茂男教授へ
拝啓

 私は、9月18日の設立に際し、公勤務・運輸・交通労働組合に加入している裁判官、検察官と、日本の裁判官仲間の団体結成の開始に連帯の意思を言明するという、あなたの提案を喜んで受け取りました。我々は、日本の裁判官(仲間)に、ネットワーク設立万歳(すべてよきことがありますように)とお祝い申し上げます。

 設立された団体がすみやかに大きくなることを、日本の裁判所において裁判官の独立と司法行政構造の公開をさらに改善せんとする、あなたたちの目的を、我慢強く追求され、それが豊かな成果を得られんことを・・・。

 我々は、遠くからでもこれからの事態を注目して付き添っていきますし、あなた方が必要とあればいつでも、あらゆる視点で我々の連帯としての保護を提供するつもりです。

 設立にとってすべてよきことがなされますように、日本社会がまさにそれにふさわ しい公開性をもつように、祈っています。
敬具 
 
公勤務・運輸・交通労働組合 議長 
クラウス・トメス (裁判官・検察官部会)